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つどいの木

        夢野 響


たとえ短く伐られても

 再び芽吹く

 生命の息吹

 その幹は

 静けさの中に歌を抱き

 時間の風にそっと響く


 春には優しい光とたわむれ

 夏には涼しい風を運ぶ

 秋には静かに祈りをささげ

 冬には深い眠りを誘う


 まばゆい笑顔も

 切ない涙も

 いつも大きく受け止めて

 変わらぬ安らぎ

 そっと返す


 幹に触れれば

 脈々と

 目には見えぬ流れが響き

 大地から空へ

 祈りがのぼる


 つどいの木

 あなたは何も言わずとも

 すべてを感じ

 受け止めて

 人と大地を結ぶ歌

 いつも奏でているんだね


 これまでも

 そして

 これからも



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